Article
更新日: 2026年9月24日
雑誌『日経サイエンス 2026年6月号』感想|動物の能力が人間の思い込みを揺さぶる
『日経サイエンス 2026年6月号』の感想。クローンマウス、道具を使う牛、考えを修正するチンパンジーの研究から動物の能力を考えます。
閲覧数: --
いいね: --
こんにちは、Dancing Shigekoです!
動物の能力を知るたびに揺らぐ、人間だけが特別だという思い込み。
今回は『日経サイエンス 2026年6月号』を紹介します!
・クローンを重ねると何が起きるのか
ドナーマウスからクローンマウスを作り、その個体からさらに次のクローンを作る。これを繰り返した研究で、58代目に異変が起きたという記事に驚いた。
クローンという言葉には未来の技術という印象が残っていたが、世代を重ねて変化を調べる段階まで研究は進んでいる。ただ同じ個体を複製するのではなく、継続した時に何が起きるのかを確かめる研究なのだと思う。
「作れる」と「問題なく作り続けられる」は同じではない。結果だけでなく、どんな目的で実験し、何を確かめようとしているのかまで読んでいきたい。
・道具を使う牛の観察
オーストリアの牛が、デッキブラシを使って体をかいているという記事も面白かった。ブラシの部分だけでなく、刺激の強い側も使い分けているように見えるという。
人が教えた行動なのか、自分で使い方を見つけたのか。短い紹介を読んだだけでは判断できないが、だからこそ観察の条件や検証方法が気になる。
道具を使う動物と聞くと、霊長類や鳥を思い浮かべていた。牛にも状況に合わせて物を利用する力があるなら、普段見慣れた動物の行動にも、まだ気づいていない工夫があるのかもしれない。
・考え直す力は人間だけではない
チンパンジーには、自分の判断を見直して修正する力があるという研究も紹介されていた。一度決めた答えを変えるには、最初の判断が正しいかを改めて確かめる必要がある。
考えを巡らせ、間違いに気づき、選び直す。そうした働きは人間だけのものだと思いがちだが、動物の研究はその境界を少しずつ動かしている。
クローン技術の現在地、道具を使う牛、判断を修正するチンパンジー。驚くだけで終わらず、研究の方法や背景まで時間を取って読み進めたいと思った一冊でした!
それでは、また次回!