こんにちは、Dancing Shigekoです!

同じ通路を繰り返すうちに、わずかな違いが恐ろしくなる世界。

今回は映画『8番出口』を紹介します!

※この記事では物語の内容に触れています。

基本情報

  • 監督:川村元気
  • 脚本:平瀬謙太朗、川村元気
  • 原作:KOTAKE CREATE『8番出口』
  • 音楽:Yasutaka Nakata(CAPSULE)、網守将平
  • 配給:東宝
  • 上映時間:95分

登場人物

迷う男:二宮和也
8番出口を探しながら、同じ地下通路をさまよう男。

歩く男:河内大和
迷う男が通路で何度もすれ違う男。

少年:浅沼成
迷う男の前に現れる少年。

ある女:小松菜奈
迷う男の元恋人。

作品の内容

地下鉄を降りた迷う男のもとへ、元恋人から妊娠を告げる電話が入る。病院へ行くと答えて出口を目指すが、歩いても歩いても同じ地下通路へ戻ってしまう。

掲示された案内には、異変を見逃さないこと、異変を見つけたら引き返すこと、異変がなければ引き返さないことが書かれていた。男は通路の小さな変化を確かめながら、8番出口を目指す。

・限られた場所でも映画は作れる

登場人物は少なく、物語の大部分はよく似た地下通路で進む。大規模な舞台を次々と見せるのではなく、同じ場所を繰り返すこと自体が作品の仕掛けになっている。

変化が少ないからこそ、ポスターや扉、すれ違う人の様子まで注意して見てしまう。広い世界を用意しなくても、観客にルールを理解させ、違いを探させるだけで緊張感を作れるのが面白い。

水が押し寄せる場面など映像ならではの見せ場はあるが、基本になるのは一つのコンセプト。映画を作るには大きな予算だけでなく、限られた条件を魅力へ変える発想が大切なのだと感じた。

・異変のルールに残る疑問

異変を見つけたら引き返す。それが出口へ近づくための基本ルールだが、物語が進むにつれて何を異変と判断すべきなのか分からなくなる。

迷う男が少年と出会ったことも、いつもの通路にはない出来事だった。それを異変と考えるなら引き返すべきだったのか。歩く男の視点に切り替わった時も、同じ場所を進んでいるのか、別のループに入ったのかが曖昧に見えた。

説明しすぎないことで不安を残す狙いなのかもしれない。ただ、決められたルールを頼りに見る作品だからこそ、その境界が曖昧な点は気になった。

・出口の先を語り合いたくなる

男は異変を見極めながら、ひたすら8番出口を目指す。そして最後にたどり着いた場面は、脱出できたと受け取ってよいのか迷う終わり方だった。

はっきりした答えが示されないため、見終わった後にも通路の意味や男の選択を考えてしまう。地下通路は現実の場所なのか、それとも決断できない男の心理を表していたのか。見る人によって解釈が変わりそうだ。

すっきり理解できたとは言えないが、だからこそ誰かと結末について話したくなる。限られた空間と単純なルールから、いくつもの疑問を残す作品でした!

それでは、また次回!